ハートキャッチプリキュア!

同人誌製作に構けて遅くなったが、東京MXテレビの再放送『ハートキャッチプリキュア!』(2010−2011年)を全話鑑賞。去年の『フレッシュプリキュア!』(2009−2010年)から引き続きの鑑賞になるが、

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週一の再放送が2ヶ月くらい休止になった後に毎日の再放送になり、「中央競馬」の中継があるのでやっぱり1週間ほどの休みが隔週で入ったり、とにかく放送スケジュールが変わりまくりで追いかけるのが大変だった。同時期に『マシーンブラスター』の再放送もあったからな。

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それは置いておくとしても、元々レンタルでキュアムーンライト復活までは見ていたのだが、レンタルも月一ペースという遅さだったので、なんつーか最後まで完走しきれなかったので良い機会ではあったのだが。

中学2年生の花咲つぼみは希望ヶ花市に引っ越してきた。彼女は転校を機に内気な自分を変えようと決意したが、クラスメイトにしてお隣さんである来海えりかの強引かつマイペースな行動に振り回される。戸惑うつぼみの前に、夢の中で見たこころの大樹の妖精シプレとコフレが現れる。つぼみはこの街に来る際に車中で、こころの大樹が砂漠の使徒に襲われ、キュアムーンライトダークプリキュアに敗れゆく夢を見ていたのだ。

 

シプレとコフレを追ってきた砂漠の使徒の幹部サソリーナは、居合わせたえりかの表面とは裏腹の萎れた“こころの花”を奪い、怪物デザトリアンを作り出した。

つぼみは妖精に「プリキュア」になる資格があると聴かされ、えりかを救うべくシプレの力を借りてプリキュアに変身。最弱のプリキュアである事に嘆きながらも何とかデザトリアンを撃破。更につぼみに救われたえりかも、コフレの力でキュアマリンになり、二人はプリキュアとして次々に現れる砂漠の使徒の幹部クモジャキー、コブラージャ、ダークプリキュア達に立ち向かう。

戦いの中でつぼみの祖母・薫子がかつてキュアフラワーとして砂漠の王デューンと対決して相打ちになった過去が明かされたり、薫子が管理している植物園に顔を出す高等部の月影ゆりが、変身能力を失ったキュアムーンライトであった事が判明。つぼみとえりかはプリキュアとして嫌が上にも強くならねばならない事を自覚する。

一方で学校生活でもファッション部を立ち上げて、つぼみとえりかはクラスメートと友情を育み青春を謳歌する。やがてつぼみとえりかの頑張りが報われて育ったこころの大樹は新たな妖精ポプリを誕生させる。ポプリと出会った生徒会長の明堂院いつきもキュアサンシャインとして覚醒。月影ゆりも死んでしまった相棒の妖精コロンとの魂の邂逅を経て、再びキュアムーンライトに変身する能力を取り戻す。

砂漠の使途もダークブレスレットの力でパワーアップする等、戦いは激化していく。4人は最終決戦を前に更なる力を手に入れるべくプリキュアパレスでの試練に挑み、自分自身の劣等感が姿を取った影との戦いを経てスーパーシルエットの力を手に入れる。やがて地球に現れたデューンは薫子を誘拐してパワーを吸収。子供の姿から、かつての青年の姿を取り戻した。薫子を救うべく、敵の本拠地に乗り込んだ4人であったが、そこに待ち受けていたのはサバーク博士の意外な正体であった……。

主人公であるキュアブロッサムこと花咲つぼみは、以前は眼鏡をかけていた大人しめの女の子。割と感情移入し易くはあるが、主役に据えたのは英断かもな。“最弱のプリキュア”の異名は「仮面ライダー電王」を思わせる。

相棒のキュアマリンこと来海えりかは活発な女の子で、どちらかといえば今までの主役スキルなんだが、ボーイッシュなワケではなくてファッション方面に才能を活かすという極めて女性的な面を持っており、意外にもモデルである姉と比較される事に劣等感を抱き、デザトリアンの素体にされる被害者第一号という、有難くない栄誉にも預かっている。更にコメディリリーフまでこなせるのだから凄い。

この水と油の組み合わせが黄金コンビになるという流れは、ある意味で『ふたりはプリキュア』への原点回帰といえるだろう。この二人は後のオールスター映画でも他のプリキュアを差し置いて連続登場しているのは、歴代プリキュアの中でも唯一無二の個性を会得しているだけでなく、二人一組で醸し出す絶妙なバランス感覚もあってのものだと思う。

この二人をプリキュアにスカウトした妖精シフレとコフレは最初こそ見分けがつかなかったが、割と主人に近しい個性を持っているか。“プリプリプリリ〜ン”は初見時はビックリしたけどな。

初期はデザトリアンにされる私立明堂学園生徒及び、その周辺の方々のお悩み解決が湿っぽく感じたが、花言葉での締めは当人の個性を表すものであり、『花の子ルンルン』(1979−1980年)を彷彿したりもしたものだ。そんな中で印象に残ったのは、後にファッション部にも入るナミナミが主役の第14話「涙の母の日! 家族の笑顔守ります!!」か。かなり泣ける。

番クンも島本和彦の同人誌が初見だったので、島本オリジナルキャラだと勘違いしていたが、その番町キャラの見立てと違って漫画家志望とは!男子キャラではいい感じだ。園芸部の水島先輩も作画がイマイチの回ではあったが面白いキャラであり、この3人が最終章でつぼみ達の友人代表に抜擢されていたのは頷ける。鶴崎先生も良いけどね。

敵対する「砂漠の使徒」の三幹部は美形キャラっぽくはあるが、面白い人というのが先に立ち、あまり話を深刻にしないように努めている。小説版ではそれぞれ暗い過去があるみたいだけどね。基本的に互いをライバルとみなし反目してるが、サソリーナが浄化されそうになった際に助けたり、アドバイスもそこそこに力を貸したりと仲間意識はあった。最終決戦ではクモジャキーとコブラージャは、お互いに美学には反するが力量に関しては敬意を持っていた事を表明してたりもする。

シリアス成分は刺客キャラとしてダークプリキュアが用意されていたが、強大な壁でこそあれど案外とキャラの掘り下げは終盤まで無かった。怪物デザトリアンは素体となった人間の罪の意識を告白しながら暴れ回るので、ちょっとした羞恥プレイだなー。

この番組はキュアムーンライトの敗北から物語が開始されており、変身能力を無くしたOBプリキュアとはかなり斬新な設定だな。ある意味で0号というべき存在なんだが、何故か当時は商品関連からは外されていた模様。またキュアムーンライトこと月影ゆの家庭事情は当初から描かれてはいたが、キュアムーンライトとしての過去の掘り下げがメインでゆりサン個人の生活はあまり描かれていないかも。

明堂院いつきことキュアサンシャインは、当初こそ他の私立明堂学園生徒と同じ扱いだったが、まさかの“3人目はあんさんや”状態。CVの桑島法子は、『機動戦艦ナデシコ』(1996−1997年)のミスマル・ユリカの人じゃないか!いわゆるキュアブラックの持つボーイッシュさとは違う、どちらかといえば男装の麗人の類であり、故に女性らしさを却って強調するジェンダーキャラであった。いつきと組む事になる妖精ポプリは、赤ちゃんキャラの系譜だな。

あと、つぼみを助けるイケメン絶望先生がコッペさまだったとは!

かつてのような最強戦士ではなく、集団化したチームになる事で厚みを増した「プリキュア」。その上で、キュアムーンライト奇跡の復活。それは変身能力の復活ではなく、ゆりの心理的な問題であった事が明らかになるが、キュアムーンライトの相棒である妖精コロンが復活しないとは、中々ハードな展開だな。

そんなワケで二人体制に追加戦士、更にOB復活と変則的に4人体制になるという、過去作と差別化した編成はなかなか捻っている。プリキュアパレスでの試練はそれぞれのコンプレックスが具現化した「ミラージュプリキュア」との対決という、実にこの番組らしい装置で、各人がその劣等感を糧として受け入れて己の成長を即すという展開も良い。

クリスマス商戦向けアイテムであるハートキャッチミラージュの力を経て、「スーパーシルエット」という強化形態になるとは、後のシリーズでも受け継がれる要素であるが、必殺技「プリキュア・ハートキャッチ・オーケストラ」は巨大な女神を召還して敵に特攻をかけるという、ワケわからんが異様な説得力に満ちた技で印象深い。

クリスマス回ではサプライズで以前にデューンと戦ったキュアフラワーが、子供の願いを受けて一時的に奇跡の復活を遂げるというサプライズ。ババアでなければ5人目ポジだったかも……と思うと残念でならない(ゆりサンと被る立ち位置ではあるがな)。

その回の直後に薫子はデューンに誘拐され、地球も破滅直前まで追い込まれて、「プリキュア」は惑星城にカチコミをかける。そこで明かされるサバーク博士の秘密とゆりサンの過去……だが、案外と唐突だったりするし、こちらがメイン過ぎてデューンの陰が薄い。ちなみに月影博士の回想に映画キャラであるサラマンダー男爵とオリヴィエを挟み込む辺りが芸細だったりする。

デューンは倒されるべき大敵だったのでゆりの過去の因縁が断ち切られた瞬間に、ブロッサムやムーンライトと合流したマリン、サンシャインを相手に馬越嘉彦の作画による壮絶バトルを演じた割にサックリと倒される。浄化という形ではあったけども。

プリキュアシリーズ」は『スマイルプリキュア!』(2012−2013年)から毎週視聴に替えたニワカなので、それ以前のシリーズはレンタルでミュージカルと劇場版を先に観たのだった。その中で『ハートキャッチプリキュア!』は気になってたので、今回は全話視聴出来たのは喜ばしい事。この作品で培われた要素や、この作品独特の個性は勿論あるが、ある程度シリーズを通して観た現在であれば、この作品が特別ではない事が分かる。どの作品にも、それぞれの長所・短所を持ち合わせているものなのだ。

それでも楽曲は全て神曲か。特にEDは前期・後期ともに好きで、ゴスペル調の後期ED曲「Tomorrow Song 〜あしたのうた〜」はカラオケで必ず歌うほど気に入っている。B面の「HEART GOES ON」も劇中では絶妙なタイミングで挿入されていたので上がるね。

ハートキャッチプリキュア!』の後番組は本放送と同じく『スイートプリキュア♪』(2011−2012年)だったが、震災のあった年の作品でもある。あの災害がこのシリーズにどう影響を与えたのか確認するか。それにしても、のっけから百合臭い夫婦喧嘩で、このやりとりを毎日見るのは辛どいな〜。三石琴乃CVのハミィが癒しです。でもOP曲は全アニメの中でも上位に来る名曲と思ってますよ。特別クドマユのファンってワケではないんだがな。